山口県防府市の暁天楼(ぎょうてんろう)を紹介します。
暁天楼とは
暁天楼とは高杉晋作、木戸孝允、伊藤博文、山縣有朋(山縣の回顧録「懐旧記事」中に記述あり)、品川弥二郎、坂本龍馬等の志士達が幕末に度々、密議を計った建物の一つです。
建物の構造としては1階が漬物置き場、2階が隠れ座敷となっており、表向きは物置小屋です。
もともとは九代当主、藤村孫七の大旅籠(「おおはたご」と読み、昔の食事付の旅館のこと)の物置小屋であり、志士たちのために利用させていました。
当時は「適義凄」と呼ばれた建物ですが、山縣有朋等によって「暁天楼」に改称されました。
しかしながら老朽化が甚だしく、昭和30年に解体されました。
現在は藤村家の後裔の11台当主藤村造作氏によって、防府天満宮の付近に復元されされたものが展示されています。
暁天楼の風景
現地の暁天楼を撮影してみました。
復元ですが、当時の建物の趣を感じることができます。
暁天楼の正面
正面に昔ながらの木の扉があり、上に暁天楼の看板(といっていいのか)があります。
暁天楼の上
この上の部分が高杉晋作たちが密議を計ったとされる、隠れ屋敷だと思います。
窓もなく、外観からはただの物置小屋にしか見えません。
暁天楼の中
暁天楼の中は当時を再現したのか壺が置いてありました。
またベンチが置いてあるのでちょっとした休憩はここでできそうです
防府天満宮のご神木
出入口がいくつかあって、まっすぐ進むと実は防府天満宮のご神木が見られるスポットに出ます。
ご神木の太い幹は写真の左にわずかに写っています。
防府天満宮のメイン通りから外れて暁天楼の中を通る必要があるためか、ご神木がここにあることが、意外に知られていないようです。
別の出口
なおご神木のある方とは別にも出入口があります。
こちらから出て、「茶室 芳松庵」に進むと、500円で庭を見渡せる茶室からお茶を頂くことができます。
2階の隠れ座敷につながる階段
なお、出口から出るとこのように2階に続く階段があります。
これが2階の密談をする部屋への階段だと思われます。(土足厳禁)
しかしながら階段は普段、閉ざされています。
ただ維新ではない現代日本では、2階はお茶会のスペースとして利用されています。
実はこの日、偶然解体で少し関わったとされるおじいさんの話を偶然聞けました。
老朽化以外にも中に血痕や刀傷やらなんやらがあったとか。
なので、どちらにしろたぶん一般に見せられる状態じゃなったんじゃないかなあと想像しています。
アクセス
JR防府駅から徒歩30分程度です。
防府天満宮の鳥居に入り、右側にあります。
以上です。