山口県岩国市といえば、岩国城と錦帯橋が有名です。
しかしここではその錦帯橋の横にある、槍倒しの松(やりこかしのまつ)を紹介します。
槍倒しの松とは
現地の看板が分かりやすく書いてあったので、少々内容を割愛しつつ引用しましょう。
現地の看板には、
昔諸藩の大名が他藩の城下を通るときは行列の槍を倒すのが礼儀となっていました。
大藩が小藩の城下を通るときは、儀礼を守らず槍を立てたまま威風堂々と通ったものです。
岩国藩は六万石の小藩であるため、岩国の武士達はこれを見て憤慨し、そこでかなり成長した横枝のはった松をわざと橋の頭に植え、大藩といえどもどうしても槍を倒さなければ通ることができないようにしたものです。
というふうなことが書いてありました。
※そもそも岩国藩が公的に認められたのは幕末なので「ん?」と思ってしまったのですが、一旦現地の看板を前提にします・・・。
ちなみに「やりたおし」と書いて「やりこかし」と読みます。
参考に加賀藩は100万石、長州藩は江戸時代に厳封後でも37万石です。
槍倒しの松のある風景
槍倒しの松を撮影したので、いくつか見てみましょう。
錦帯橋の端
槍倒しの松は錦帯橋の端にあります。
知らない人は錦帯橋の雰囲気づくりに植えられた松だと思って、通り過ぎるかもしれませんね。
しかしこの松も錦帯橋の歴史の一部です。
案内板
実は「槍倒し松」と書かれた案内板もあります。
錦帯橋を渡るときに、周囲をよく眺めれば気づくでしょう。
槍倒しの松と錦帯橋
石段のあたりから見ると、江戸時代の風景がなんとなく感じ取れなくもないです。
この松で他藩の人が通るときに、「邪魔だな~」と槍を倒させていたわけです。
現在の松は錦帯橋にはかかっていません。
※槍を持ち歩いている人がいなくなったからというわけではありませんが。
石段を下って河川敷から眺めてみました。
この松は下から見ても立派な松です。
錦帯橋に向かって伸びています。
ちなみにこの写真の松を見て、若すぎる松だと思った方はとても勘がいい人です。
きっと植物を普段から見ていて、植物が好きな人です。
初代槍倒しの松は残念ながら昭和27年に松喰虫によって枯れました。
今の松は初代の松の直系の子孫にあたり、3代目「槍倒しの松」だそうです。
3代目には倒させる槍がなく、お仕事がないですが・・・。
錦川
松の横の石段を下ると、目の前に錦帯橋がかかる錦川が一望できます。
普段はこのように水量が少なく穏やかですが、時に大荒れする川です。
河川敷は春になれば、桜の木がなります。
アクセス
JR新岩国駅、またはJR岩国駅からバスで20分ぐらいのところにあります。
錦帯橋は有料橋なので注意しましょう。(とは言っても小銭で足りるぐらい)
以上です。