山口県周南市の市街地にある旧藩武方跡を紹介します。
旧藩武方跡とは
藩武方とは、武具一切を管理していた役所のことです。
徳山藩では宗藩(長州の萩藩のこと)にならい、武具方奉公が置かれ、そのもとに武具方都合役・武具方下僚がいて、その下に士分に準ずる10数名の細工人がいました。
細工人は、禄高13石~25石で甲冑・弓矢・刀槍・鉄砲等の工芸技術を業としていました。
イメージを描くととこんな感じでしょうか。
武具型の筋向い、つまり道を挟んで反対側に作事方があり、この一帯は徳山藩の仕事をする重要な機関があったところとなります。
残念ながら、他の遺構の例にもれず、武方跡も作事方跡も立て看板と石碑のみです。
太平洋戦争の大空襲により、徳山市街地は壊滅的被害だったためです。
旧藩武方跡の風景
旧藩武方跡のあたりを撮影してみました。
緑と文化のプロムナード
この遺構のある通りは「緑と文化のプロムナード」と呼ばれます。
春には桜がきれいで、夏はこのように緑が生い茂っています。
(緑が多いので実はバスを使わず徒歩で徳山動物園に行くときは、この通りを使うと涼しいです。)
その通りの途中に旧藩武方跡の、戦後に建てたと思われる石碑があります。
ここは藩武方があったらしいのですが、周りは本当に何もありません。
現代日本のこの場所は本当に道路の横です。
江戸時代の風景はありません。
もともとはこの一帯、城が近くにあって城下町があったようなのです。
しかし、太平洋戦争の影響で見事になくなってしまいました。
本当に惜しいものです。
石碑
ここには石碑がぽつんと1つだけ置かれています。
道路の横に小さく置かれているので、気づかずに素通りする人が多いかもしれません。
文字を読みやすくするために少しズームで撮影してみました。
石碑の文字が旧字体なところに、時代を感じます。
石碑の表には「旧藩武方」と書かれています。※旧の字は旧字体で「𦾔」。
そろそろ読める人も少なくなってきているので、立て看板に補足がいるんじゃないかと思います。
桜の木
先ほども少し書いたのですが、道路に沿って桜が咲いています。
春になると歩いていて気持ちがいい通りになります。
この石碑のすぐ近くにも桜が咲いていました。
アクセス
JR徳山駅から徒歩20分ぐらいの場所です。
桜が咲く季節に、散歩がてら歩いていくのもいかがでしょうか。
動物園に行くのもいいですし、近くに博物館もあります。
以上です。