山口県下松市の下工弁慶号を紹介します。
下工弁慶号とは
明治40年に石川島造成所で製造された、小型の蒸気機関車のことです。
現在は山口県の下松市にあります。
下工弁慶号の歩み
- 明治40年に東京都の石川島造成所で製造 ※現在のIHI
- 昭和9年まで徳山海軍練炭製造所が所有
- 昭和9年に山口県立下松工業学校が譲り受け
- 原動機実習で使用され、下工弁慶号の愛称はこのときに確定
- 昭和26年に同校の校庭のモニュメント化
- 昭和56年に生徒と教員で修復し一般公開運転
- 岡山県の下津井電鉄に貸与され、客車2両を牽引して下津井駅構内で運転
- 昭和63年に同校同窓会の社団法人下松工業会に移管
- 平成4年に山口県柳井市総合卸売センターに貸出
- 平成8年10月、山口県下松市に寄贈 ※現地看板には今なお稼働する機関車との記載あり
- 平成16年に三重県の三岐鉄道北勢線阿下喜駅前に展示(3年限定展示)
- 平成19年に東京の「大鉄道博覧会」(江戸東京博物館)で展示
現存する国産蒸気機関車の中では3番目に古いものです。
※ちなみに現地の看板とWebの情報で、若干の年数の時期にずれがありました。
その場合は、現地の看板の情報を採用しました。
仕様
この機関車はB型サドルタンクとよばれる形態の、価値の高いものだとのことです。
弁慶号の説明の下に、以下のような仕様が添えられていました。
- 全長:4050mm (4メートルぐらいですかね。)
- 重量:5.5t (象と同じか、象より少し重いぐらいです)
- 車軸幅:762mm
- 本体動輪:2輪
下工弁慶号のある風景
下工弁慶号を近くからいくつか撮影してみました。
下工弁慶号の全景
下工弁慶号は、いかにも頑丈そうなケースに格納されて保管されています。
そして下松市役所の人が少ない敷地にぽつんとあります。
明治に東京で製造され、山口県で高校の教材として利用され、全国各地で運転・展示された機関車が、です。
なんだか寂しい気もしますが、長い間働いた機関車としてはそっとしておいてほしいのかもしれません。
下工弁慶号の横
横に[1907]と書かれています。
1907は下工弁慶号の製造年ですね。
この年号が貼られた部分が運転席で、後ろに客室が連なります。
下工弁慶号の正面
正面からの撮影してみました。
「下松工高」と書かれています。※高校は現在も存在しています
学校所有の蒸気機関車は当時も珍しかったとのことです。
下工弁慶号の後ろ側
後ろ側も撮影してみました。
部分的にレールがひかれています。
奥に見えるのは県道63号線なのですが、道路側からは蒸気機関車がよく見えません。
展示の仕方を変えると、弁慶号のアピールになりそうな気がしないでもないです。
反対側はいい感じの芝生です。
アクセス
JR下松駅から徒歩15分程度の場所にあります。
下松市役所の隣です。
以上です。